市中肺炎の画像パターン alveolar pneumonia/bronchopneumonia
市中肺炎の画像パターンと典型的な起因菌
・画像所見は主に肺胞性肺炎(alveolar pneumonia)と気管支肺炎(bronchopneumonia)とに大別される。
・肺胞性肺炎の病型をきたしやすい起因菌としては肺炎球菌、クレブシエラ菌、レジオネラ菌、クラミドフィラが挙げられる。
・気管支肺炎の病型をきたしやすい起因菌としてはインフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、マイコプラズマが挙げられる。
肺胞性肺炎の病態生理
・起因菌が肺胞に達すると反応性に肺胞腔は浸出液で満たされる。浸出液はKohn孔などの側副換気路を介して、周囲へと速やかに進展し、結果として非区域性の分布を呈し、ときに大葉性肺炎となる。
・また浸出液が多量な場合は肺容積が増加して、葉間部分で胸膜が圧排され、Bulging fissure signが確認されることがある。
気管支肺炎の病態生理
・起因菌が経気道的に吸引された後、終末細気管支などの気道粘膜が傷害され、炎症細胞浸潤が生じる。しかし、浸出液は多くないため、病変は呼吸細気管支や終末細気管支に比較的限局し、区域性の分布を呈する。ときにCTでは小葉中心性粒状影、小葉性陰影が多発してみられることがある。
――――――――――――――――――――――――――――
<参考文献>
・氏田万寿夫, 佐藤英夫, 山口美沙子. 呼吸器感染症の画像診断. 日本内科学会雑誌, 103(11), 2688-2700.