炎症性偽腫瘍
臨床症状
・炎症性筋線維芽細胞腫瘍(IMT; inflammatory myofibroblastic tumors)は以前、炎症性偽腫瘍と呼ばれていた疾患である。
・臨床症状はその解剖学的部位によって異なる。
・上気道および下気道に発生した腫瘍は、疼痛、呼吸困難、気道閉塞、鼻出血、しびれ、頭痛を引き起こすことがある。
・頸部に生じた場合は嗄声の原因となる。
・消化管に発生すれば腸閉塞や便秘をきたす可能性があり、肝臓に局在すれば黄疸や肝脾腫を生じ得る。
・尿路に病変がある場合には、排尿困難や血尿を引き起こす可能性がある。
・さらに、子宮に病変がある場合には不正性器出血を引き起こすことがある。
・なお、発熱、体重減少、全身倦怠感といった全身症状を伴うこともある
病変部位
・IMTは、腹腔内(全症例の約75%)、特に腸間膜、大網、後腹膜に好発する。
・また、頭頸部、肺、膀胱、中枢神経系、女性生殖器に発生することもある。
・主に小児および若年成人に発症する。
・腫瘍は多くの場合、単発性病変として発見され、複数個所に発生することはまれである。つまり、転移しづらい腫瘍である。
臨床検査
・IMTはCRP上昇、赤沈(ESR)亢進、WBC増多といった炎症マーカーの上昇を引き起こす可能性がある。
・さらに、貧血、血小板増多、高ガンマグロブリン血症が認められることもある。
・腫瘍が胆道を圧迫している場合には肝胆道系酵素上昇が認められる。
画像検査
・造影CT撮像では腫瘍は標的状(targetoid)、不均一または均一な腫瘤として観察される。
・単純CT撮像では等吸収域(isodense)あるいは低吸収域(hypodense)として描出される。
・MRI撮像では病変部はT1WIおよびT2WIで低信号(hypointense)を呈することが典型的である。
・石灰化を伴うことがある。
治療
・外科的切除が主な治療法とされている。
・完全な腫瘍切除が不可能な症例では補助的に化学療法が実施されることがある。
・詳細は割愛する。
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<参考文献>
・Siemion K, Reszec-Gielazyn J, Kisluk J, Roszkowiak L, Zak J, Korzynska A. What do we know about inflammatory myofibroblastic tumors? - A systematic review. Adv Med Sci. 2022 Mar;67(1):129-138. doi: 10.1016/j.advms.2022.02.002. Epub 2022 Feb 23. PMID: 35219201.
