皮疹を伴う発熱 febrile illness with skin rashes

皮疹を伴う発熱

・皮疹は局所性疾患または全身性疾患の経過中に出現する。

・皮疹は一般的に非特異的な所見であり、その性状のみで鑑別を進めることは容易でない。むしろ先行感染、随伴症状、投薬歴、アレルギー歴、環境要因、曝露歴、地域特性などと合わせて考えることが重要である。

・皮疹はその形態によって、例えば紫斑、点状出血、水疱、膿疱、斑状丘疹、紅斑などと分類ができる。また、皮疹の分布によって全身性または局所性、左右対称性または非対称性に分類が可能である。発現の経過で急性の発疹と慢性の発疹とにも区別される。

・疫学的に小児の皮疹を伴う発熱の原因の多くはウイルス感染症によるものであり、通常は自然軽快する。

診断アプローチ

・皮疹を伴う発熱の臨床診断を行うためには最近の旅行歴/海外渡航歴、動物などととの接触歴、曝露歴(例: 淡水曝露, 海水曝露)、森林やその他の自然環境への曝露歴(例: マダニ)、投薬歴、性交渉歴、ワクチン接種歴、免疫不全の有無などについて把握することが重要である。

不特定多数との性交渉歴リスクを伴う性交渉歴がある場合には二期梅毒、性器ヘルペス、口唇ヘルペス、急性HIV感染症を疑うことができる場合がある。

・特定の曝露歴として淡水曝露があればレプトスピラ症を、海水曝露があればV.vulnificus感染症などを疑える。

・森林曝露歴や動物曝露歴ではリケッチア症、サルモネラ症、オウム病、レプトスピラ症を疑えることがある。

・海外渡航歴があれば、旅行先の感染状況も踏まえながら、腸チフス、デング熱、チクングニア熱、ジカ熱、リケッチア症、糞線虫症、ライム病なども疑える。

・直近3~4週間以内の投薬歴次第ではSjS、AGEP、DIHS(DRESS)なども疑う。

・身体所見では皮疹の性状や分布の評価のほか、リンパ節腫脹、粘膜疹(例: 口腔内, 眼球結膜, 生殖器)、肝脾腫、髄膜刺激徴候、神経学的所見などを確認する。

・小水疱性病変や膿疱性病変の場合、内部の液体を利用してグラム染色培養検査を行うことができ、ヘルペス感染が疑われる場合にはTzanck試験を行うこともできる。

斑状丘疹

ウイルス感染症で最も一般的な皮疹で、限局性に隆起した触知可能な発疹を指す。

・全身性の場合、四肢よりも体幹部に目立ちやすい。

小水疱

紅斑

蕁麻疹

点状出血・紫斑

皮疹+αの症状による鑑別

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<参考文献>

・Kang JH. Febrile Illness with Skin Rashes. Infect Chemother. 2015 Sep;47(3):155-66. doi: 10.3947/ic.2015.47.3.155. Epub 2015 Sep 30. PMID: 26483989; PMCID: PMC4607768.

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