家庭医療学のResearch domain

Ecology of medical care

・参考文献におけるTable 1が示すように、よく知られたEcology of medical careの図を参照すると、1,000人の地域住民のうち200人強に相当する人がまずはプライマリ・ケア医にかかることが示されている。

・地域住民は医療に関係する際のエントリーの部分を担っていることを示していて、このときの患者さんの初期症状は多岐にわたる。ときに未文化な健康問題への対処、不確実性が高い診療現場であることを理解しそのことに忍容する能力、疾患(disease)だけでなく病い体験(illness)にもコミットメントすること、あらゆる問題をまず受け止めることなどが求められる。

・家庭医療学の基礎となる理論の一つにはその人のライフイベントや人間関係上の繋がりなどの様々なコンテクストが健康や疾患とどのように相互作用しているのかを理解することにある。また、病いの意味を追求することも重要であり、そのためにはFIFE、ライフヒストリーの聴取、健康生成論を意識した診療などがときに有用とされる。

The wheel of knowledge

・省察的な家庭医は診療を通して常に課題を特定し、改善策を模索する。

・家庭医療学において反復的なループを生じさせるようなThe wheel of knowledgeが存在する。

・Wheelの4象限の中心には

 ①Clinician(医師):

 ・self awareness(自己認識)、省察、ジャーナリングなど

 ②Patient, Familiy, Community(患者, 家族, コミュニティ)

 ・個人的価値観、インタビューなど

 ③System(システム)

 ・政府、ヘルスサービス研究

 ④Disease(疾患)

 ・疫学研究など

が位置づけられる。

・また各象限の境界領域には

 ①Relationship(関係性)

  ・”Clinician”と”patient, family, community”との間の境界領域

  ・人的相互作用、参与観察など

 ②Justice(正義)

  ・”patient, family, community”と”system”との間の境界領域

  ・社会的価値観、政策分析など

 ③Prioritization(優先順位)

  ・”system”と”disease”との間の境界領域

  ・費用対効果分析など

 ④Information mastery(情報管理)

  ・”disease”と”clinician”との間の境界領域

  ・EBMなど

が挙げられる。

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(※PMID:15655084より引用)

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<参考文献>

・Green LA. The research domain of family medicine. Ann Fam Med. 2004 May 26;2 Suppl 2(Suppl 2):S23-9. doi: 10.1370/afm.147. PMID: 15655084; PMCID: PMC1466771.

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