EDAC(Excessive dynamic airway collapse)

EDACとは

EDAC(Excessive dynamic airway collapse)は「呼気中に気管後壁(膜様部)が弛緩することにより起動が狭窄する疾患」です。

・少し紛らわしいですが、気管支軟化症は気管軟骨(つまり膜様部以外の部分)自体か、その周囲の支持組織の脆弱性により発症する点で一線を画するものとして扱われています。つまり、あえて簡略化していえば、EDACでは気管軟骨がない部分(膜様部)に、気管軟化症では気管軟骨に、それぞれ問題があるということです。

・健常者でも気管の断面積は平均35%減少する。しかし、50%以上の減少がみられるケースは異常と考えられ、それが特に膜様部の問題によるものである場合にEDACが想定されます。

COPD、喘息ではしばしばEDACを合併することが知られています。

・EDACは非喫煙者における原因不明の慢性咳嗽の鑑別の一つに含まれます。

症状/身体所見

・症状に特異的なものはなくCOPDや喘息でみられるような、Wheeze、呼吸音減弱、咳嗽、呼吸困難などがみられます。

・EDACでは肺水腫を合併することがあります。

診断

・診断には気管支鏡検査CT撮像(吸気と呼気とで比較します)で行われます。

治療

・多くのEDACは偶発的に発見され、無症状であることもあり、治療を行う必要性に乏しいです。

・症状があり、日常生活に支障をきたすケースなどでは侵襲的な治療(ステント留置など)を検討する場合もありますが、それでも内科的治療を先行させるべきです。

・内科的治療としては気管支拡張薬やCPAPなどが挙げられます。喘息やCOPDを背景とした軽症のEDACでは気管支拡張薬が有効な場合があります。

・なお、禁煙も推奨されています。

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<参考文献>

・Murgu SD, Colt HG. Tracheobronchomalacia and excessive dynamic airway collapse. Respirology. 2006 Jul;11(4):388-406. doi: 10.1111/j.1440-1843.2006.00862.x. PMID: 16771908.

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