成人学習理論 Andragogy
成人学習理論
・アンドラゴジー(Andragogy; 成人教育学)は成人学習理論の主要モデルである。
・Merriamによると、自己主導型学習は成人教育の中核をなす。
・アンドラゴジーは1970年にKnowlesにより提唱され、次に示す6つの前提(成人教育の特徴)が存在する。
- 自己主導性
- 学ぶ必要性の認識
- 過去の経験の活用
- 学習へのレディネス
- 問題解決志向の学習
- 内発的動機づけ
成人と”子ども”の教育学の比較
・McGrathによると成人と子どもは文脈に応じて類似した学習行動を示すが、学習の進め方において差異がある。
・アンドラゴジーはKnowlesにより提唱され、成人が潜在能力を最大限に発揮するための学習方法を科学的に探求する学問領域である。
・ペダゴジー(Pedagogy; 子どもの教育学)と異なり、成人学習では学習者の経験自体が学習の大きなリソースとなる。
・差し迫った課題に適用するための学習がなされる。その点で、成人学習は問題解決志向といえる。
・成人学習と子どもの学習は連続的につながっているものとみなされる。
・成人学習では教育者は学習者の過去の経験を重視する必要がある。一方的に教えるのでなく、学習者の経験も加味されて良質な学習が形成される。
・学習のレディネスや心理的状態も考慮しなければいけない。その観点で、教育する”量”もときに調整する必要があり、多ければよいということではない。
成人の学習スタイル
・MacKeracherによると、成人の学習スタイルは分析的、全体的、物語的、パラダイム的なスタイルに分けられる。
- 分析的スタイル(analytic cognitive style); 論理的思考, 背景にある明確な対象への注目, 知識の要素を個人の属性として捉える傾向
- 全体的スタイル(holistic cognitive style); 大局的なパターンを感じ取り反応する, システム全体への直感的理解
- 物語的スタイル(narrative cognitive style); 物語を通じた経験の意味づけと学習, 内省を通じた理解
- パラダイム的スタイル(paradigmatic cognitive style); 分類や構造化を通じた知識理解
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<参考文献>
・Abeni Ei-Amin: Andragogy: A Theory in Practice in Higher Education. Journal of Research in Higher Education, 4(2):54-69.